龍弥デザインブログ

しがないWebデザイナーの僕がなぜ非常勤講師をする機会をいただくようになったのかを振り返り今どんな気持ちで臨んでいるかを記します。

いろんな思いを抱えて3年目へ。大学講師2年目の総括。

今僕は中国短期大学様で非常勤講師をしています。
昨年度、今年度は半年間、来年度は1年間務めることになっています。

その役目をいただいて2年が経とうとしていますが、今年度の講義は本日が最後ということなので、なぜ僕が非常勤講師をする機会をいただくようになったのかを振り返り、今どんな気持ちで臨んでいるかを記しておこうと思います。

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きっかけは「キニナル箱!」

中国学園制作番組 × テレビせとうち・Radio momo 「キニナル箱!」

最初に中国短期大学様との関わりをもたせていただいたのは、一通のお問い合わせメールがきっかけでした。

いつものように龍弥デザインのお問い合わせフォームからお問い合わせいただいたんですが、学生が制作している番組のWebサイトを立ち上げたいとの大学教授様からのメッセージがあり、「とても面白そうだな」とメールで返信しました。

大学を卒業してから初めて「大学の先生」にお会いしたんですが、本当に礼儀正しく丁寧で、当時自分が持っていた「大学の先生」像とは全く違い、「この方のお役に立ちたい」と心から思いました。

全てはここが始まりだと言っても過言ではありません。

いきなり訪れた機会

キニナル箱!やその他のサイトをお手伝いさせていただいて数年経ったころ、突然先生から「非常勤講師をしてもらいたい」とのお話がありました。 聞けば今まで担当されていた方が辞められて担当できる人がいない、とのことでした。

情けない話ですが、お話をいただいた時点では「どうしよう・・・僕に務まるだろうか?」という気持ちしかなく、何の準備もなく時間だけが過ぎて行きました。その間、先生の講義に参加させていただいたり、セミナーのスライドを見てみたりして、なんとか無事に講義を終わらせようと、そんなことばかり考えていました。

これで頭でっかちの初心者講師の出来上がりです(笑)
僕らの仕事は「講義を無事に終えること」ではなく、「生徒の将来に新しい可能性を見つけてあげること」です。この時点からつまづいているのが本当に情けないですね・・・。

自分なりの講義をしないと何の意味もありませんよね・・・。

心を決めた瞬間

初年度の講義が始まるまでの期間もずっと悩んでいました。
デザインを始めてから今までで後輩もいなかった自分には人に教える経験なんてほとんどないし、そもそも黒子の立場で仕事をしてきた自分がすごい人数の前で喋ることなんてできるんだろうかと日々唸っていたと思います。

それでもある時急に気が楽になった瞬間がありました。
ある先生の言葉を思い出したからです。

中学校時代の音楽の先生が、卒業前の最後の授業でこんなことを言いました。

「先生っていう漢字は先に生まれたと書きます。
そう、先生ってみんなより先に生まれただけなんです。
偉くもなんともない。」

申し訳ない話ですが、小学校も中学校も、先生のことなんてほとんど覚えていないのに、なぜかその言葉だけは30代になった今でも鮮明に覚えていました。

そっか、先生って偉いわけじゃないんだ。
けど先に生まれたんだから生徒より経験もあるし知識もある。
自分にも教えられることがいっぱいあるじゃない。

・・・と考えられるようになりました。

そしてその言葉を、非常勤講師のお話をいただいた先生に重ねました。
先生はかなり年下の僕にも今でも敬意を持って接してくださり、生徒からも非常に慕われてます。
僕の心にずっと残っているあの言葉を体現されたような方です。

あぁ、中学校の時の先生と同じ、一生忘れない先生にいただいた話なんだ。
これはすごく光栄なことじゃないか、と心を決めることができました。

非常勤講師をはじめてから

最初の講義

なんとか初回の講義の準備をして初講義に臨んだわけですが、ほとんど時間稼ぎのような感じで講義を終えました。今思えば、これだけはしたくないと思っていた「当て逃げにあったような授業」になっていたかもしれません。

自分に甘い僕は、「まぁ経験のないことだし最初はこれでいいのかな・・・」とプロとしては許されない考えを持ったことが最も後悔を残してしまうことになってしまいました。

今後、何年講義をさせていただくかはわかりませんが、最初の講義を最悪の講義とし、何度も自分を見つめ直し、あの時と同じになっていないか確認していこうと思います。

ある生徒の悩み

講義の回数を重ねる中で、とある生徒が相談してきました。

「授業についていけているか不安です。」

その生徒は最初の課題のデザインラフの出来も非常に優秀で、講義に対する姿勢もとても意欲的、Photoshopを使ったデザイン起こしも望んでいた以上のクオリティを作り上げていました。

「才能っていうのはこれのことなのか」と思い知らせるほどの存在でした。

そんな彼女から受けた言葉に驚きとショックを受け、「どの部分がそう感じさせたのだろう」と必死で自分の間違った点を探してしまいました。今考えるとこうやって後から間違いを探すほど無駄なことはありません。

もちろん自分の間違いを探すのは正しいと思います。けど今回は相手がいます。
相手を不安にさせてしまっているのに、そこを差し置いてまず自分の反省点から見つけ出そうというのは身勝手でした。

才能がある彼女には不安点がまるでないことはわかりきっているはず。
それなら、ただ向き合い、自信をつけてあげればいいのに。

そのことに気づくまで1週間もの時間がかかりましたが、彼女に、自分が作ったもののクオリティの高さと不安になる要素などどこにもないということを必死に伝え、少し前向きになってくれたんじゃないかなと思います。

僕の言葉で立ち直ったとは思っていませんが、彼女が提出した課題は最後まで本当にクオリティが高くて驚かされるばかりでした。

彼女に感謝

彼女と向き合って話ができたことでわかったことがあります。
今までの自分は講義を完璧にしようとするあまり生徒のことを見ていなかったんだなと。

「照明のせいで前のスクリーンが見づらい」だとか「講義の喋りが早くて聞き取りづらい」という点は生徒の立場で考えてみれば当たり前のことで、まさに僕の余裕のなさを指摘したものです。

至らない点を早い段階でズバッと指摘してくれた彼女には尊敬の念とともに非常に感謝しています。あのまま講義を進めていたら本当に当て逃げになってしまっていたと思います。

聞けば彼女は事務の仕事に就職が決まっているとのことでしたが、もし機会があれば本当にWebデザイナーとしてデビューしてほしいものです。

あんな才能はそう簡単には出てこないと今でも思っています。

非常勤講師2年目

僕の担当講義は2年生の後期なので、前期は丸々お休みになります。その間どうすればわかりやすく、Webの仕事は楽しいものだと思えるような講義にできるかを考えていました。

初年度の講義は毎週スライドを作り、それを元に講義をしていたんですが、それだと生徒が聞き逃してしまった時に見直しができなくなっていました。また、講義を休んでしまった場合は確実に遅れを取り戻すことができなくなります。

考えた末、ブログで講義をすることにしました。

実は初年度の講義の時にも最後の5回はブログを使って講義を行っていました。ただ、それが最善の策という保証もないので、他に方法を探して最終決定はしていませんでした。

ブログに決めたのは、最後に取ったアンケートの内容で「ブログを使った講義がわかりやすかった」という意見をいただいたからです。

そこからは必死に準備を進めました。
一度やってしまえば時間配分もわかり、これだと少ない、これだと多すぎて詰め込みになる、という感覚がつかめ、ちょうどいい配分でブログの記事を書くことができました。

事実2年目は毎回目標としていた講義の終了時間に誤差5分程度で合わせることができ、少しだけ余裕を持って終わるように調整する術が身につけられました。

権利とチャンス

以前、このブログでも書いたんですが、今でも思っていることがあります。

やるも自由。やらないも自由。
向き合うも自由。目を背けるも自由。

ただ、壁と向き合って悩みながらでも、
諦めずに頭や手を動かし続ける人間にしか、
本当の権利やチャンスは巡ってこない。

できない、わからないからと手を止めてしまうのではなく、「教えて下さい」と手をあげることが重要。

悩みを相談してくれた彼女のように、悩んで壁に当たっても、何とかしようと手を動かし頭を動かし、それを続ける人間にこそ、権利やチャンスは相応しいものだと僕は思います。

生徒たちはたぶん、まだそれを知らない。
講義を通してそれを教えられたらきっと、
僕も一人前の講師になれるんじゃないかと思います。

多分この思いは一生消えないんだと思います。
そしてそれを自分にも言い聞かせる人生でありたいと思います。

最後に

冒頭にも記しましたが、来年度から年間を通して講義を行うことになります。

半年間では教えられることも少なく、そもそもデザインとコーディングをやるとなれば最低でも1年間は必要だと先生にご相談させていただいたところ、前期と後期の講義を任せて頂けることになりました。

前期はデザインを。
後期はコーディングを。

これを何年か繰り返していけたら、いつか未来のWebデザイナーに巡り会えるんじゃないかと思います。思いが届いたらいいなと本気で思っています。

今日も講義です。
最後の講義です。

彼らの心に何かしら残すことができればと思います。
行ってきます。

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